訪問歯科について
寝たきりであることや障害があることなどで通院が困難な方に向けて、当院は訪問歯科の診療を提供しています。歯科医師やスタッフがご自宅や施設を訪問し、虫歯や歯周病の治療、入れ歯の調整や作製、お口のクリーニングなど、通院される場合とほぼ同様の診療を実施することができます。
訪問歯科の対象者
- ご高齢で通院が難しい方
- 身体が不自由で来院が難しい方
- 家で寝たきりの方
- 認知症の症状がある方
- 日頃車いすを利用されている方
- 摂食嚥下障害がある方
高齢者にとって歯のケアが大事な理由
年齢が上がると少しずつ唾液の分泌量が減っていきますし、嚥下機能も低下しがちです。そのため、お口のケアは高齢の方ほど重要となります。以下にお口のケアをする意味やメリットを詳しく記載します。
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認知症や病気の予防に
つながるお口の中のケアが不足すると、歯周病菌をはじめとするさまざまな細菌が繁殖します。近年の研究で、歯周病菌はさまざまな疾患のリスクを上げる存在であることが知られてきました。例えば、歯周病の炎症は糖尿病を悪化させますし、傷口から血管に侵入した歯周病菌は血栓を作るので、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを上昇させます。また、しっかり噛むことは認知症予防にもなりますから、お口の健康は全身の健康に直結するのです。
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誤嚥性肺炎を防ぐ
年齢が上がるとともに嚥下する力(飲み込む力)は衰えていき、誤嚥のリスクが高まります。誤嚥によって食べ物が肺に侵入すると、お口の中の歯周病菌も肺の中に入って炎症を起こし、肺炎を発症します。肺炎は日本人の死因の上位に毎年挙がっており、高齢者の誤嚥性肺炎はその中でも高い比率を占めています。このような事態を防ぐためにも、歯周病菌を減らすことやお口の機能を保つことは非常に重要です。
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生活の質が上がる
お口の状態が良いと、美味しく楽しく食事ができますし、周囲の方との会話を楽しむこともできます。一方、お口の状態が悪いと、食べることができるものが限られてきたり、味を楽しめなくなったりします。また、歯が悪いと発音がしにくいですし、外観が悪くなると人に見られることがストレスになる場合もあります。このように、お口の健康は生活の質に大きく関係しています。
訪問エリアについて
訪問診療に保険を適用できる範囲は、当院を中心として半径16km以内と制度的に定められています。この距離を超えた場合も訪問診療はできますが、自費診療の範囲となりますのでご了承ください。